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人生って疲れますよね。なんで生きていかなくちゃいけないんだろう? 「大していいことあるわけじゃないだろ」って誰かの歌にもあるけれど、ほんとそうだよなぁって思う。
私は学生の頃、真剣に死ぬことを考えていました。ちょうど「完全自殺マニュアル」が売れていた頃でした。その冒頭の文章は今でもよく覚えています。著者の友達に一発で死ねる「エンジェルダスト」という薬をペンダントにして持ち歩いている人がいたそうです。 「人生嫌になったらいつでもこれで死ねばいいんだって言って、毎日楽しく暮らしている、この本も彼のエンジェルダストみたいな本になればいい」と書いてありました。淡々と死ぬ方法が羅列してあり、自殺の話もたくさん書いてあって、読んでいくうちに不思議と楽になっていました。簡単に人って死んじゃうんだな、同じように死にたい人っていっぱいいるんだなって。
もちろんその本だけがきっかけではありませんが、私はそれ以来、自分はあのとき死んだのだと思うようになりました。いま生きているのはあくまで「オマケ」の人生。だったらやりたいことやって、嫌になったらオマケの人生からサヨナラすればいいやって。
私は生きるの大好き、人生素晴らしくてしょうがない、っていうタイプの人間では決してないので、疲れて苦しくて死にたい人に向かって「死んじゃダメだ」とは言えません。それでも自殺した人の話を聞くと、全く知らない人でも生きていて欲しかったなぁって思う。いや、生きていて欲しかった、というのとは違うかな。死にたいって思わない人生だったらよかったのに、って感じかもしれない。
催眠の力で疲れた人を必ず癒せる、なんて私は思っていません。疲れた人が、その日だけでも疲れを忘れられたらって、そんな風に考えています。催眠には確かにそういう力があるからです。
催眠の力だけではどうしようもないことってあります。心の病気って、体からの、そして無意識からのメッセージなんです。
人間の理性(あなたの感じているあなた自身)は、生きていく上で出会う数々の困難と闘っています。自分の心と体を守っています。
だけど、闘うのに疲れちゃうときがあるんですよね。
これ以上、自分を守ってあげられなくなる。そんなとき、あなたの意識していないあなた自身(無意識)が、あなたの理性に変わって自分を守ろうとするんです。それが時には病気という形をとるんです。無意識なんて、本当にあるのかなって思うかもしれませんが、実は、人間の心って、ほとんどがこの無意識なんですよ。あなたが意識的に「自分自身」って思っているのは、たったの10%に過ぎないという人さえいます。
頭ではどうすればいいのか解っていても、なかなかその通りに出来ない経験は誰にでもあると思います。この「頭」の部分が理性、なかなかその通りにできないのは、無意識がそれを望んでいないからなのです。
催眠で症状を取り除くことはできるかもしれません。だけど、それは体からの大切なメッセージを無視してしまうことにもなりかねません。それを無理に取り除いてしまったら、きっとあなたの無意識は、また同じ方法で(もしくは違った方法で)あなたにメッセージを届けようとするでしょう。「催眠療法は効かない」と考えられている所以はそこにあります。直接的に症状を取り除いても取り除いても、再発してしまうからです。
例えば、右手の振るえが止まらない人がいたとします。その人に催眠で、「右手の震えが止まる」っていう暗示だけを与えたら、おそらく3日間くらいは右手の震えは止まるでしょう。でも、何かのきっかけでまた震えだすかもしれません。仮にそれ以来、右手の震えが止まったとしても、今度は左手が震え始めるかもしれません。
大切なのは、病から癒えることではありません。
病みつついかに生きるか、それが大切なのだと思います。
無意識からのメッセージをまず聞いてみてください。
そしてその意味を考えてみてください。
なぜそのような事が起こるのか。
それは何のためか。
何を守ろうとしているのか。
初めはよく判らず、辛いだけかもしれません。でも焦らずに、辛い気持ちをそのまま受け止めてください。
無意識が何故そのような症状を出しているのか、原因を知ることが出来れば、それだけで癒されることもあるでしょう。問題を取り除くこともできるかもしれません。
だけど、原因が判ったところで何も変わらず、身動きの取れない状況もあるかもしれません。
そんなときは、どうか癒されることはひとまず横においておいて、「病みつついかに生きるか」に心を向けてください。無意識からのメッセージを拒否したり、無視したりするのではなく、それに答えながら毎日を生きてください。
あなたがそれに答えてあげることができれば、無意識はもう、そのメッセージを送る必要はなくなるかもしれません。
がんばらなくていいんですよ。
答えを外に探しても見つからないかもしれない。
それは初めから、あなたの中で、見つけてもらえるのをじっと待っているのです。
もし誰かに相談したいことがあれば、遠慮なくメールをください。
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