絶対条件が許せない

「絶対条件」という言い方は間違いです。日本語にそんな言葉はありません。

最近、平気でニュースにも出てくるし、ビジネスの現場でも、政治でも「○○が絶対条件ですね」などと(偉そうに)言っている人がいますが、それは「必要条件」というのです。もう一度中学生からやり直し!

嘘だと思ったら辞書をひいてみてください。「絶対条件」なんて載ってないから。(まさか載ってないよね?)

まぁ、言葉と言うのは市民権を得たもの勝ちですから、そろそろ辞書に載ってもおかしくないのかもしれませんが、そもそも「絶対条件」って、どういう意味で使っているのでしょうか?

僕は、「そうなるために必要な条件」という意味でみんな使っているように思うので、上にも「必要条件」と書きましたが、もしかしたら「十分条件」的な意味で使っている人もいるのかな。

スポーツでよく、「予選を通過するにはこの試合に勝つことが絶対条件」等と言っていますが、これなんかはもろに「必要条件」ですね。

中には「絶対必要条件」などと言う人もいますが、これは「必要十分条件」の語感そのままという感じがします。でもね、その「絶対に必要な条件」のことを「必要条件」というんですよ。

僕は昔から、大抵のことには寛容でありたいと思っていますが、この「絶対条件」という言い方だけは、何故か許せないんです。意味も判っていないのに雰囲気で使っている感丸出しだから。なんか、すごく頭悪そうに思えてしまう。

どんなに偉い人でも、尊敬できる人でも、「絶対条件」と言っている時点で、「あぁ、言っちゃったよ」って、僕の中で何かが壊れちゃうんですよね。

あ、ついでに、「○○でよろしかったでしょうか?」という言い方も許せません。

丁寧に言っているつもりなのだろうけど、「あんた、それでいいんだよね? 解ってるよね?」って威圧されている感じがします。

昔、バス旅行へ行ったときにバスガイドが「明日は9時集合になりますけれどよろしかったでしょうか?」的なしゃべり方を延々としていてすごく気分が悪かったです。百歩譲って、9時集合ということをこちらが知っているのなら「はい、よろしいです」と思わないでもないですが、こちらは9時集合なんて初耳なのですから、この「知ってるよね?」という押し付けがましい感じは不快そのものでした。

あぁ、さっきの取り消し。

僕は全然寛容じゃないみたい。

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