水曜スペシャル
<第一弾 ジュンマ>
2002年12月25日放送のスイスペ「今夜復活!! 伝説の探検隊が帰って来た アマゾン奥地1500キロ!
テラプレータの密林に謎の猿人ジュンマは実在した!」はもう面白すぎでした。昔みていた“川口浩探検隊シリーズ”のいかがわしさがそのままで、大笑いしながら観てしまいました。
かつてプロレスは真剣勝負だと信じて疑わなかった子供が、プロレスのお約束に気がつき、失望しつつも、やがてプロレス的アングルそのものを楽しめるようになる、というプロセスをそのまま踏襲するかのごとき番組づくり。落合信彦がノンフィクション風小説家だとするならば、この番組はドキュメンタリー風ドラマと呼ぶにふさわしく、「こんなのヤラセじゃないか」という言葉は全くのナンセンスです。アントニオ猪木が格闘ロマンの道を突き進んでいるのと全く同じで、ここにあるのは真実ではなく、ファンタジーなのです。
突然ヘビに襲われる隊員、底なし沼にはまる隊員、何故かいきなり坊主にされる隊員、サソリや毒蜘蛛の恐怖、あり得ないボートの転覆、別カットで映されるワニ、バナナが大好物なジュンマ、20キロの棍棒をジュンマの道具と決め付ける田中信夫、アマゾンの木々をナタでばっさばっさ切ってしまう藤岡弘……。これでもかというくらいにファンタジーな場面が続きます。
引っ張るだけ引っ張って、最後は原住民らしいおじさんの後姿(ちゃんと服をまとっている)を一瞬映し、「ジュンマは実在した」と言い切るオチのしょぼさ。
しかしこの、あやふやに終わる不完全燃焼ぶりが探検隊シリーズの醍醐味。21世紀にこのような番組が放送されていること自体、奇跡のように感じました。
「ジャングルでは一瞬の油断が命取り」
藤岡弘、最高です。
<第二弾 ヅォンドゥー>
本日午後7時より、「藤岡弘の探検隊シリーズ第2弾」が放送されます。
前回の、「今夜復活!! 伝説の探検隊が帰って来た アマゾン奥地1500キロ!
テラプレータの密林に謎の猿人ジュンマは実在した!」も怒涛の展開に笑いっぱなしでしたが、今回の「ベトナム奥地ラオス国境密林地帯に呪われた竜の使い人食いヅォンドゥーは実在した!」も、もうタイトルからしてファンタジー全快です。
「呪われた竜の使い人食いヅォンドゥー」っていったい??
答えは今晩の放送に期待しましょう。
ビデオにとっておいた「藤岡弘の探検隊シリーズ第2弾」を観ました。
「ベトナム奥地ラオス国境密林地帯に呪われた竜の使い人食いヅォンドゥーは実在した!」というタイトルからして、「もしや、大きな蛇を捕まえてお茶を濁すのでは……」と思っていましたが、果たしてその通りでした。
今回も隊員がコブラに噛まれたり(隊長の「血清っ!」の声に大笑い)、川に落ちてヒルに噛まれたり(ヒルは無理に剥がしてはいけないらしい)、ニシキヘビに脚を絡まれたり、用意されたハプニング続出!
隊長の壊れっぷりも相変わらずで、今回は「危機センサー」がお気に入りの模様。
トラを見つけて隊長を呼ぶ隊員の下へ、トラに気づかれそうなくらい音を立てて近づいておきながら「大きな声を出すな」と叱りつけたり、前回同様、密林をバッサバッサと意味なくナタで切り開いたり……。
関係ないのに毎回登場してはゲテモノを食べさせられる藤森夕子にも、どこか哀愁が感じられました。
今回のオチのしょぼさはジュンマ以上でした。ニシキヘビをヅォンドゥーと言い切ってたけど、ヅォンドゥーにはツノがあるのではなかったのか?
ヘビと言えば、「ワレワレハ地球人ダ」の「スネークハンター」。
今回のヅォンドゥーが8mしかなくて、ちょっと胸を撫で下ろしている自分がいました。
<第三弾 クルピラ>
10月1日(水)午後7時より、「藤岡弘、の探検隊シリーズ第3弾」が放送されます。
前々回の「今夜復活!! 伝説の探検隊が帰って来た アマゾン奥地1500キロ!
テラプレータの密林に謎の猿人ジュンマは実在した!」、前回の「ベトナム奥地ラオス国境密林地帯に呪われた竜の使い人食いヅォンドゥーは実在した!」も強烈でしたが、今回も、タイトルの「南米ギアナ高地切り裂かれた大地の闇に謎の地底人クルピラは実在した!!」からして、いかがわしさ全開です。地底人って? クルピラって?
前回のヅォンドゥーのときは大きなニシキヘビをヅォンドゥーと言い切ってお茶を濁していましたが、おそらく今回も、原住民(というか原住民役)をチラッと登場させて、「クルピラは実在した!」と言い切る展開になることでしょう。
「さとうきび畑の唄」を観て、とてもブルーな気分ですが、今週は藤岡弘、に救われそうです。
ちなみに藤岡弘、は、「藤岡弘」から改名して「藤岡弘、」にしたそうです。(僕の句読点の打ち方がおかしいわけではありません)
もしや「モーニング娘。」の影響か?、と思われた方もいらっしゃると思いますが、モーニング娘。よりも遥か昔に改名していたそうです。
藤森夕子はまた無関係にゲテモノを食べさせられるのかな。
水曜スペシャル、藤岡弘、の探検隊シリーズ第3弾「南米ギアナ高地切り裂かれた大地の闇に謎の地底人クルピラは実在した!!」を観ました。
3回目にして、すでにネタ切れなのか、今回は用意されたハプニングも少なめ。
相変わらず、ゴムボートの底が抜けたり、川に落ちたり、インディオの罠にはまったり、ナップザックを矢で射抜かれたりしていましたが、その直前の妙な空気感は、プロレスで相手がトップロープに登っているのを気がつかないふりをしているときの、妙な緊張感に似ていました。
藤森夕子のゲテモノを食べるシーンも、アリの唐辛子漬けと、今回はゲテモノ感も低め。驚きなのは彼女がアリを食べたことではなく、アリを食べるのは3回目だと明るく告白していたことです。
何故に3度もアリを??
彼女は道中、噛まれると24時間も苦しむことになるというアリを発見したときにも、「これは食べられるの?」と執拗にアリに興味を示していました。その姿からは、CCガールズ時代の面影は完全に消えていました。
今回はゲテモノに加え、サービスショットなのか、途中で意味なく上半身水着姿にさせられたり、半日もダイヤモンド探しをさせられたり……、ここまでこの仕事に情熱を傾けられる藤森夕子、偉すぎます。
話はクルピラ探しに戻りますが、クルピラは予想通り、全身を緑色に塗ってカツラをかぶり、お面をした「クルピラ役」の人を遠くから映しただけでした。
オチのショボさは相変わらず。ジュンマの時よりははっきりと映っていたものの、それ故にショボさも倍増という感じで、あんなにはっきり映してしまったら、ファンタジーも台無しです。
探検隊シリーズの魅力は、結局は何も見つからなかったのに見つかったと言い張る曖昧さなのですが、今回は後に引けないほどはっきりとクルピラが登場しており、新しい境地を開拓しようとしているのか、投げやりなのか、どちらにしてもやってはいけない演出に手を出してしまった感じがしました。
しかも、結構早い段階でクルピラが出てきたため、「もしやこの先、もっとアップで観られるのでは……」と観る者に期待させつつ、30分近く放浪し、結局は「最後の穴が小さすぎて中に入れない」というオチ。
視聴者に「諦めてください」と言わんばかりの「撤退も悪いことではない」という、探検隊にあるまじき発言には唖然とさせられました。
でも、クルピラが後ろ向きに走っているCGはかなり良かったです。
回を重ねるごとに、手抜きになっている感は否めませんが、それでも笑いっぱなしの3時間であることに変わりはありません。
次回が今から楽しみです。