Perfumeはサブリミナルの塊
セミナーなどで、暗示に反応する原理とか、サブリミナルの影響とかを解説する機会が増えてきたせいか、今まで気がつかなかったところにも、意図的にしろ、そうでないにしろ、多くの心理誘導があることに気がつき、ハッとすることが多くなりました。
もうすでに、どなたかが指摘していらっしゃるかもしれませんが、Perfume が大ブレイクした背景にも、実は巧みな心理誘導があるのではないかと思います。
彼女たち3人のキャラクターやテクノサウンドももちろんブレイクの要因でしょうが、一番の要因は、あの独特なダンスにあると思います。
チョコレイト・ディスコの振り付けを観てそう思ったのですが、これなんかは、サブリミナルの塊ですね。単調なリズムとライティングでトランスに入る要素は十分ですし、これだけサブリミナルを散りばめられたら、暗示の効果はかなりあるのではない
かと思います。
「バレンタイン」のところで指を「2・1・4」としたり、「男の子」のところで必ずこちらを指をさしたり、鏡越しにこちらを見ていたり、その他にも多くのジェスチャーで歌詞を立体的に表現しています。直接的過ぎると言われればその通りなのですが、ボディラングエージの使い方が見事。更には、青を上手にアンカーとして使っています。そういった狙いがあるのか、結果的にそうなのか判りませんが、特に「あーちゃん」を売りたいのだなぁと思いました。
コミュニケーションにおける言語の依存度は7%に過ぎない、という研究があるのですが、当然、非言語的な情報が多ければ多いほど、コミュニケーションはスムーズになり、意図は伝わりやすくなります。Perfume
のパフォーマンスが素晴らしいのは、音楽と言語だけでなく、ダンスやライティングも積極的に感情を伝える道具として使っているからだと思います。
日本人だけでなく、外国人にも人気が出ているのは、非言語の93%で十分に魅力が伝わっているからでしょう。
安室奈美恵 でも EXILE でも
ジャニーズのグループでも誰でもいいのですが、他の踊りながら歌うアーティストの映像を観るとすぐに違いに気がつくと思います。彼らの踊りは非常に無機的で、歌詞とほとんどリンクしていません。しかし
Perfume
のダンスは非常に有機的でしっかり意味があり、作品の中の欠けてはいけない要素にまでなっていると思うのです。こういった意味のあるダンスをするアーティストは、もしかしたら、ピンク・レディー以来かもしれませんし、ピンク・レディーの異常な人気も、実はあのダンスによる所が大きかったのかもしれません。
僕自身、ラジオなどで Perfume の曲が流れていたときは心に留まりませんでしたが、PVを観てから急速に Perfume
が好きになりました。また、車の中などで Perfume を聴いていると、頭の中に踊っている彼女たちの姿がでてくるのです。
サブリミナルと言うと、映画のフィルムの中に、意識できない短さで文章を表示する、というものを連想される方も多いと思いますが(Wikipediaにも、それ以外の情報は出てきません)、それはサブリミナルの一形態に過ぎません。
部屋の中に「みかん」がひとつあるだけで、それは十分、サブリミナルになり得るんですよね。