アンジェリーナ
佐野元春「アンジェリーナ」が名曲なのは、「望みをなくしたポップコーンガール」に尽きます。
恐らく誰もが、人生で初めて聞いたであろう、「ポップコーンガール」という造語。
もちろん、ポップコーンもガールも意味は解るけれど、「ポップコーンガール」となったところで、人々の想像力は爆発します。
誰もがこの言葉に、プロムナードにたむろしている望みをなくしたポップコーンガールの姿を心に思い描き、そのイメージは一瞬のうちに、心に焼きついてしまったのではないでしょうか。
そもそも伏線は、「トランジスタラジオでブガルー」の段階で十分張られていた気がします。
トランジスタラジオでブガルー?
マジンガーZに出てくる「マジンゴー」という意味不明の造語を耳にしたときと同じようなクエスチョンマークが心に広がります。
彼はこの手法を得意としており、例えば「ガラスのジェネレーション」には「この街のクレイジー・プリティ・フラミンゴ」そして「この街のクレイジー・ミッドナイト・カンガルー」が登場します。(しかし、あまりにも「つまらない大人にはなりたくない」というメッセージが強烈なため、ポップコーンガールに比べてインパクトは控えめ)
渡辺美里の「センチメンタルカンガルー」も、もしかしたら佐野イズムなのかもしれません。